【クライアントには特有の問題】
援助職の皆さんは、トラウマを抱えたクライアントには特有の問題があることを知っているだろう。たとえば以下のようなものだ。
・記憶が様々な悪影響を受ける
・繰り返しストレス状態に陥る
・人を信用しない
・いつも失敗すると予測する(何事もうまくいかないと思っている。)
・そのほかにも様々な問題を抱えているため、回復は不可能とは言わないまでも、大変困難である。
こうした問題があることを自覚している専門家は、自分たちがどのようにクライアントとコミュニケーションするかということが、セッションに直接的な影響を与えることを知っている。
・クライアントはすでに過敏になっており、そのうえで我々の対応が驚愕反応を招いたり、ストレスをかけたりすればラポールが危機にさらされる。
・クライアントはすでにオリエンテーションが不全な状態であるのに、我々の質問や言葉がけが不適切でクライアントを混乱させるだけだと、クライアントに言いたいことが伝わらない。
・我々の期待値が高すぎて、クライアントにとって達成可能なレベルを超えていては、失敗体験となり、「何事もうまくいかない」というクライアントの信念を強化してしまう。
【これを解決するには?】
・もし我々が、個々のクライアントの神経系の状態を適切に把握し、我々の神経系のトーンをクライアントのそれに一致させることができれば、クライアントが落ち着きを取り戻す手助けができる。
・もし我々が、クライアントに対するリクエストを丁寧に、かつ忍耐強く、わかりやすく説明し、ステップバイステップで積み上げていくことができれば、クライアントはそれを理解し、統合することができる。これは成功体験の積み上げにもなる。
・もし我々が、クライアントの体の位置や姿勢、動きについて十分に注意を払えば、クライアントーセラピストの間の信頼関係や安心感を大幅に向上させることができる。
【このワークショップで扱うこと】
・トラウマを起こすような出来事により、自律神経の働きがどのように影響を受けるかを生理学的、解剖学的に解説する。
・こうしたトラウマの影響が、クライアントの動きや言動にどのように表れてくるかを解説する。
・トラウマを受け、統合不全を起こしているクライアントの神経系にとって、注意を喚起し、理解されるためにどのようなコミュニケーション戦略をもってセッションを行えばよいのか。クライアントに治療的サポートや介入を受け入れてもらうため、我々はどのようにコミュニケーションを変えていったらよいかを開設する。
このワークショップに参加することによって、援助職の皆さんは以下のようなことが得られる。
・慢性的なうつや、トラウマ症状を呈するクライアントの体には、どのようなことが起きているのかを生物学的に理解する。
・トラウマを抱えるクライアントとコミュニケーションするうえで、クライアントにさらに害を与えるのではなく、効果的に援助するうえで何が必要か?我々は、トラウマを抱えたクライアントに対して、さらに混乱を与えてしまう可能性がある。そのため、我々は、我々の態度、言葉、ペース、トーンなどをどのように調整していったらよいかを理解する。
・トラウマを抱えたクライアントは、慢性的にうつ状態であったり、ストレスを感じていたり、イライラしていたり、興奮していたり、様々な苦しみを体現している。こうしたクライアントたちと接することに、より自信を持ち、効果的にセッションを進めていくことができるようにする。
【ワークショップの構成】
・情報を提供するための講義、笑いやユーモアを交えて専門的な内容を理解する。
・コメディーシアターの即興的な技能を応用したグループゲーム
・心理・生物学的影響や、セラピーにおける文化的な影響についての小グループディスカッション
・簡単にできて、役に立つ、様々なセラピスト・クライアント関係を想定した小グループの演習
このワークショップは、専門的な知識を学ぶためのものだが、実技を通して自分自身が心の底から笑え、リフレッシュしていることに気付くだろう!
トラウマを抱えたクライアントを効果的に援助するには、まず自分自身の神経系を知ることだ。そして、自分が自分と一緒にいて、心地よい感覚を味わうことがまず初めの一歩である。そして、自分が体験したこの原理を、セッションに応用していくわけだ。
こんにちは!
「国際メンタルフィットネス研究所」代表の花丘ちぐさです!
信頼性が高く、エビデンスに基づいた価値あるワークショップを、皆様と一緒に楽しむことができたら大変うれしいです!
また、「こんなワークショップをやってほしい」「この先生を呼びたい」というリクエストもお受けしています。
ご一緒に、生涯学び続け、前に向かって歩いていきましょう!